ゼミナール

「こう住む、ああ住む」ゼミナール

第8回〈本編〉 二世帯同居派 vs 単世帯派

離れているからこそ、会えるときの特別感がある

Mさんは、ご両親とのコミュニケーション上で工夫していることはありますか?離れていると何かと心配になったり、疎遠になったりしそうだなと思いますが……。

特にルールを決めているわけではないですが、私もLINEやメールはこまめに送るようにしています。でもまだ親もそこまで歳ではないので、あんまり深くは考えていないかも。そういえば、コミュニケーションとは違うかもしれないのですが、距離があって良かったと思うことがあって。うちは子どもたちがまだ小さいから頻繁に帰省できなくて、代わりに両親がこちらによく遊びに来るんですが、それが両親にとっていい機会になっているなと思うんです。上京を機に、なんだか久々に「デート気分」を楽しんでいるみたいで!

ご両親にとって、ちょっとしたお楽しみ旅行になっている……わ~~それは素敵ですね! 家族が離れた場所に暮らしていると、遠出する楽しみが増えるのって絶対ありますよね! 私は小さいころ、親戚がみんな近くに住んでいたので、夏休みに田舎に帰る友達が羨ましかった……。

それ、わかります~~。私も実家が埼玉と都内だったので、帰省する楽しみがなくて。みんなでお出かけする楽しみはあるかもしれませんが、近くに暮らしているせいかまだあまり旅行にも行っていませんね。

そう言われると、私の場合は全国に家族や親戚がいるので、実家は滋賀でもお盆には秋田のおばあちゃんの家に遊びに行ったりもします。日本中に誰か近しい人がいるって、確かになんか面白い感覚かも。そのせいもあってか、私は日本中どの町でも住めるって思っているところがあって。夫の実家(栃木)で二世帯同居してもいいかなと抵抗なく思えたのも、そのせいかもしれませんね。

Sさんは本当に「円満二世帯!」って感じですが、この他に何か二世帯ならではのエピソードやメリット・デメリットがあれば最後にぜひお願いします。

そうですね、両親はお料理が好きで、食材にもすごくこだわる人たちなのですが、タケノコや魚介類をそのままどーん!と頂くことが多くて……最初はだいぶ戸惑ってしまったのですが、おかげで魚がさばけるようになりました(笑)。私たち家族だけでは経験できないことやスキルが身に付くのは面白いですね。働いているとそういう暮らしのスキルを磨く機会も減ってしまいがちなので、もし姑さんとの仲が良いなら私は二世帯がおすすめです。うちは子どもが二人とも男の子なので、もし将来お嫁さんさえOKしてくれたら、二世帯暮らしでもいいかなと思います。

お母さまを見習えば、きっとご自身が姑になってもうまくやっていけそう!
Mさんはどうですか?ここだけは伝えておきたいメリットや、二世帯か単世帯かで悩む方へのアドバイスがあればぜひ。

安心感という点では二世帯に勝るものはないとは思いますが、でも周りのサポートをうまく使えば単世帯でもそこまで心配しなくて大丈夫だよ~と応援したいですね。親の目を気にせず暮らせるのはやっぱり気楽ですし、自分たち家族で自立して暮らしを作っていく強さにもつながると思います。貴重な帰省はレジャー感覚で思いっきり楽しんで、離れているからこその楽しみを見つけてほしいです!

対決まとめ

お仕事や子育てにお忙しい二人なので、「メリット」という点では二世帯暮らし派に軍配が上がるかな?と予想していた今回の対決。でも単世帯暮らしのお話を聞いていると、大変ながらも「自分たちのペースを作り上げるたくましさ」があるな、と感じました。そして、離れているからこそ、会える時間をもっと楽しめる。単世帯かつ共働きがすっかり主流の今、こうした強さや楽しみを持つことがますます求められていくのではないでしょうか。一方で二世帯暮らしでは、やはり異なる生活スタイルが身近にあることで、今まで知らなかった世界や習慣に出会えるという点が特徴的でした。それをストレスと捉えるか楽しみと捉えるかは人それぞれですが、新しい暮らしを見つけるチャンスであることには違いない。また、異なる世代の考え方や生活習慣を理解するきっかけにもなりそうです。
さて、今回の対決結果ですが……頑張っているママ二人を応援したいという気持ちから、判定は「引き分け」にしたいと思います! ご両親が近くにいても離れていても、ストレスなく暮らせる自分たちならではのスタイルを、これからも模索して欲しいと願った対決でした。

Column

スープの冷めない距離で暮らす「近居」スタイルに注目!

※参考:マリモJOURNAL
 https://www.polestar-m.jp/lesson/jornal06/

離れて暮らすのは不安だけど、なかなか同居に踏み切れない……。そんな方にぜひ注目していただきたいのが、「近居」というスタイルです。これは、少子高齢化対策や子育て支援の一環として国土交通省が数年前から促進している住まい方。「住まいは異なるものの、親世帯と子世帯が日常的な往来ができる範囲に居住すること」と定義づけられ、子育てや家事など身の回りのサポートを互いに負担なく行えるメリットがあります。最近では近居向けのマンションが売り出されたり、自治体が助成金を設けたりするなど、近居がちょっとしたブームにも!? では、具体的にどのような近居方法があるのでしょう?

両親の近くにマンションを購入

これまで賃貸暮らしだった息子夫婦。実家の近くに新築マンションが建ったことを機に、購入を決意。やがて子どもが生まれても、近くの実家に預けるなど何かとサポートが期待できそうです。また、住宅購入にあたっての資金援助には贈与税がかからないなど、親世帯にとっても高メリット!

実家を手放し子世帯近くのマンションへ

実家が老朽化し、建て替えるべきか悩んでいた両親。思い切って自宅を手放し、子世帯が住むマンションの近くに別のマンションを購入することに。都市部のマンション暮らしならメンテナンスもお任せで、交通アクセスも良好。実は高齢者にこそ便利な点がいっぱいなのです。これから暮らしがますますアクティブになりそう!

親子で同じマンションを2戸買い

息子夫婦のマンション購入と実家の建て替え時期が重なったことから、それなら同じマンションに住もう!ということに。別々のフロアにそれぞれの住まいを購入しました。マンションという大きな一つの屋根の下、適度な距離感で安心の暮らしが始まりました。

イラスト:さくらいはじめ Hajime Sakurai

京都工芸繊維大学大学院修了。イラストレーター/グラフィックデザイナーとして広告・雑誌・レコードジャケットなどで活躍。音楽・ファッション・映画など60年代文化への造詣が深く、"POP ART SOUL"と掲げた主題のもとスクエアな探求とヒップなパフォーマンスで古くて新しい創作に取り組む。

●ウェブサイト http://www.sakurahill.com

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