ゼミナール

「こう住む、ああ住む」ゼミナール

第1回〈本編〉 シェア暮らし vs ひとり暮らし

シェアか、ひとりか。
自分らしい"人との距離感"が選択の決め手!?

2015年9月30日更新

人々の住まいや暮らしへの哲学に迫る
「こう住む、ああ住む」ゼミナール。
第1回は、最近増えてきたシェア暮らし
こだわりのひとり暮らしの対決です!
シェアマンションに入居3年目のSさん
デザイナーズマンションでひとり暮らしを満喫するYさん。
二人の女性に聞き取り調査を実施しました。

〈 シェア派代表 〉
フリーランスデザイナー Sさん

20~30人でリビング・キッチン・サニタリーをシェアする都内の大型シェアマンションに入居3年目。きっかけは、「希望の条件に合った物件がたまたまシェアマンションだったから」。

〈 ひとり派代表 〉
広告系会社勤務 Yさん

ガラス張りのバスルームに専用ウッドデッキ、コンクリむき出しの壁…絵に描いたようなデザイナーズマンションに入居7年目。きっかけは、「居候していた親戚の家を追い出されて」(!)。

まずは、「ひとりの時間」問題から !

たとえどれだけ社交的でも、「ひとりで過ごす時間はいらない」という人は少ないでしょう。自宅は、「自分だけの時間を過ごせる場所」と捉えている人も多いはず。今回の調査でこんどう助手が真っ先に気になったのは、「シェアだとひとりになれないのでは?? 」ということ。この疑問をぶつけたのは、都内のシェアマンションにお住まいのフリーランスデザイナー Sさん。今の暮らしが気に入って、先日契約を更新したばかりだとか。ひとりの時間、ちゃんと取れていますか?

大丈夫ですよ! ちゃんと自室があるので。実は、私も入居前にいちばん不安だったのが「ひとりの時間がなくなるんじゃ…」だったんです。最初のころは「もうずっと自室にいよう」とすら思っていました。でも今は、リビングにいることのほうが多いくらい(笑)。ひとりになりたかったら部屋にいればいいし、そういう時は周りもそっとしておいてくれます。

フリーランスで働くSさんは、日中ひとりで仕事をしていることがほとんど。リビングに行くと誰かしらいて、気軽に言葉を交わして息抜きにもなる。気づけば、その緩やかな関係が「家族みたいでラク」と感じ始めていたそう。たしかに、自室があればプライベートがなくなるわけじゃないし、誰かとすぐにつながれるなんて魅力的……
と思いきや! 「ひとりの時間が本当に大切なんです」と語るひとり暮らし派代表のYさんからは、こんなお話も。

自分の家にいると、"完全に"ひとりになれたって思うんです。私、SNSもちょっと苦手なんですけど、あの「離れているのに、なんとなくつながっている」感じがどうもダメで…。日中は打ち合わせやら電話やらでひとりの時間が取れないので、寝る前にひとりきりで考え事に浸れる「完全に切り離された場所」がほしいんです。

日中の生活が慌ただしいYさんにとって自宅は、精神的にも距離的にもあえて誰ともつながらない、ゆえに落ち着くことのできる場所。どちらの暮らしでも、ひとりになるだけならなれる。ただその「ひとり」への満足度は、空間というよりも個人の価値観や、家にいる以外の時間をどう過ごしているかにも左右されるようです。なるほど、いきなり奥深い調査になってきました…。

シェアは疲れる? ひとりは寂しい?

Yさんの言うように、シェア生活では周りの人から「完全に離れる」ことはできません。それがメリットである一方、時には「疲れるな」と思うこともあるのでしょうか?

音が気になったり、小さな不満はもちろんあります。でも、そういう時はお互いに注意しあって解決します。私のシェアマンションの人たちは寮や海外生活を経験している人が多く、みんな慣れているんです。良識のある人とシェアすれば、疲れるほど嫌なことってあんまりないんじゃないかな。でも、シェアハウスによっては「毎晩みんなでパーティー!」みたいなところもあるので、ノリが合わない人とのシェアだと無理かも(笑)

毎晩パーティー…それは、さすがに若くないと無理かもしれませんね(苦笑)。
一方で、Yさんには逆のことを聞いてみました。いくら日中が忙しいとはいえ、やっぱり寂しく感じる時もあるのでは??

そりゃあ、ありますよ~。でも不思議と、料理をしてご飯を食べたりしていると忘れちゃうんです、すぐに! どうしても寂しかったら恋人や友達に電話して、ちょっと鬱陶しくされて、それで終わり(笑)

両者とも、心のバランスを取るのが上手! 迷惑な時、寂しい時、それぞれ自分の中での対処法がわかっていることが、住まい方以前に何より重要なのでしょう。なるほど、勉強になります。

とっておきのメリットを挙げるとすれば?

それではここで、両者に挙げてもらった「自慢のメリット」を紹介しましょう。まずはシェア派のSさんから!

とにかく情報が入ってくること。住人は仕事も年齢も、国籍すらバラバラ。わからないことは誰かに聞けば解決するし、入ってくる情報の種類も様々です。それによって価値観や許容力が広がったし、コミュニケーション力は確実に上がったと思います。

Sさんはシェアを始めるとき、「自分を演じたり見栄をはるのはやめよう」と決めていたそう。そうして心のバリアをなくしていくと、いろんなことを受け入れ、吸収できるようになったとか。
これはもう、シェア暮らしの最大の武器ではないでしょうか。誰かと暮らすことは、誰かを受け入れること。そしてきっと同じ分だけ、誰かに「受け入れられている」。だからこそ、居心地の良さを感じられるのですね。う~ん、素敵!
さあ、対するYさんも、ひとり暮らしの魅力を語ってください!

開放感…ですね。最初にひとり暮らしを始めた時も、それをいちばん感じました。
あと、今の部屋はバルコニーに面してガラス壁のバスルームがあって(あ、バルコニーには塀があるので外からは見えませんよ! )、空を眺めながらお風呂に入って気が済むまでゆるゆる過ごせるのもうれしいです。

自然の多い環境で生まれ育ったYさんは、都会の中で少しでも水や空を感じられる場所を確保しておきたかったと言います。住んでいるのは少々値の張るデザイナーズマンションですが、Yさんが心をリセットするためには不可欠。誰にも文句を言われず、自分の必要な環境に、好きなだけ身を委ねていられる。そんな贅沢が許されるのは、ひとり暮らしならではの豊かさです。いや、もう、本当にうらやましい!

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